世界の皆様、埼玉からこんにちは。Captain Tabbyです。

 

急に暖かくなって花粉がガンガン飛んでますね!

目は痒いわくしゃみは止まらないわ、そろそろマスクに眼鏡の不審者スタイルを解禁しなければいけないシーズンになってきたようです。

はぁ……北海道に移住したい。

 

世迷言はともかく、こんなに暖かくなって南風が吹いている今週末ですが、先週末はまだまだ寒くて日陰にも雪が残っていましたよね。

そんな中、Captain Tabbyは妹と2人こんなところに行ってまいりました。

川魚の里 鈴木養魚場

川魚の里 鈴木養魚場

はい。

加須市の『川魚の里 鈴木養魚場』です。

加須市と聞いて「何度も行ったことある町だし、小一時間くらいで着くんじゃない?」と言いつつナビをセットしたのですが、県東部の我が家からここまで、下道で90分くらいかかりました。

意外と遠い!

それもそのはず、ここは加須市と言っても旧北川辺町。埼玉の端の端にある町なんです。

全然知らなかったのですが、2010年に北川辺町は騎西町、大利根町と一緒に加須市に合併されていたみたいです。加須市、めちゃくちゃ広くなってますよね~。

というか大利根町はともかく、北川辺町はもはや利根川越えて北側だし、埼玉じゃなくて茨城なんじゃない?

だって皆様、上の画像をクリックしてじっくりご覧ください。

『川魚の里 鈴木養魚場』の看板に書かれた電話番号、市外局番が0280ですよ!0280、古河じゃん!

 

そんなほぼ古河の(旧)北川辺町に私達姉妹がやってきた目的は唯一つ。

 

それは「ホンモロコ」です!!!

 

皆様、「ホンモロコ」って知ってますか?

「もろこし輪太郎」の親戚じゃないですよ。Captain Tabbyは「ムサシトミヨ」の親戚か何かと思ってましたが、全然違います。食用魚です。

「ホンモロコ」はコイ科タモロコ属に属する淡水魚で、コイ科の中で一番おいしいと言われている魚なんです。

「ホンモロコ」、元来は琵琶湖の固有種だったそうですが、1990年代半ば頃から琵琶湖に増えたブルーギルやブラックバスなどの外来魚に捕食され、漁獲高が激減。「幻の魚」と呼ばれ絶滅危惧種にまでなってしまったそうです。

今や琵琶湖で採れる天然ものは年間10t行くか行かないかで値段もバカ高くなり、100g700円するとか……近江牛かよ!

 

そんなこんなで高級魚に爆上げされてしまった「ホンモロコ」ですが、最近では天然ものの保護に加え、養殖も盛んになっています。養殖になると値段は天然ものの半分ほどになりますから、庶民にはありがたい話ですよね。

そして、その「養殖ホンモロコ」の日本最大産地が埼玉県なんです。その出荷量、なんと年間23t! 天然の倍量を埼玉だけで出荷しています。

 

「ホンモロコ」、もはや滋賀の名産品じゃなくて埼玉の名産品なんじゃね?

他県に勝るところがなかなかない埼玉県がてっぺん獲ってるなんて、もうこれは「ホンモロコ」食べるしかない!

 

…というわけで、北川辺は『川魚の里 鈴木養魚場』に「ホンモロコ」を求めてレッツラゴーとあいなったわけです。

川魚の里 鈴木養魚場、売店

川魚の里 鈴木養魚場、売店

1枚目の画像は『川魚の里 鈴木養魚場』のまさに「養魚」している場所でしたが、こちらは売店。

和風の平屋建てで、店の前面が駐車場になっています。

ご覧ください。

「彩のもろこ」ののぼりです!!

ここ、地名は加須市向古河(むかいこが)でまさに向かいは古河! すぐ側に渡良瀬遊水地!

でも「彩のもろこ」! 埼玉の魂ここにあり!

 

胸が熱くなったところで目に突き刺さる黄色い暖簾をくぐり店内に入ります。

中に入ると大きな冷蔵ショーケースがお出迎え。

その中にアミやら小女子やらの佃煮に混ざって和牛並みの値段で取引される「ホンモロコ」が鎮座してました。

よく調べもせずに来てしまったのですが、ここ『川魚の里 鈴木養魚場』では「ホンモロコ」の養殖だけでなく、コイ、ナマズ、フナ、ウナギ、ドジョウ、ソウギョなどの卸売、各種川魚を使った惣菜の小売も行っているそうです。どおりで駐車場に止めた時点でうなぎのかおりに包まれるわけですな。

うう、たまらん! うなぎ!!

正直うなぎのかおりに惹き付けられて「ホンモロコ」を忘れそうになりましたが、『川魚の里 鈴木養魚場』では「ホンモロコ」養殖を全面に押し出していく方針なようで、店内そこかしこに「ホンモロコ」の宣伝文句が貼り付けられていました。

それによると、とにかく「ホンモロコ」はうまい、めっちゃ高級、もう一回繰り返すけどめっちゃうまいとのこと。

浮気しかけたけど「ホンモロコ」買って帰るしかないと改心です。

 

 

加須市、というか(旧)北川辺町では「ホンモロコ」を使った料理が食べられる店が何軒かあり、定番の天ぷら、唐揚げ、素焼き、醤油煮の他、地元産の「コシヒカリ」「ホンモロコ」を使った「モロッケ」というコロッケまで売られているそうです。

今回お邪魔した『川魚の里 鈴木養魚場』では「ホンモロコ」を醤油煮にした「ホンモロコ煮」のみでしたが、「モロッケ」も気になる……そのうち行ってみます。

一通り店内を見回した後、店員のおばさまに「ホンモロコ煮」をお願いしました。

「ホンモロコ煮」、1パック100gで1080円です。なかなか高級!

 

お支払いをする間、「ホンモロコ」やお店についておばさまに色々お伺いしてみました。

「ホンモロコ」は初めて食べると言うと、おばさまは

「ホンモロコ」はとにかくおいしい。天ぷらもいいけど、この「ホンモロコ煮」で食べるのが一番おすすめ、おいしいですよ~」

と教えてくれました。知らず高まる「ホンモロコ」への期待!

そんなこんなで妹と「帰って食べるのが楽しみだねぇ」と言い合っていたら、その時、そのカウンターの向こうの厨房で何か水がぶちまけられるような音がビシャアッ!と聞こえてきたんですよ。

思わず目を向けると、調理服にビニールの前掛けのおじ様が60cm以上はありそうなデカいコイを2尾、手に立ってらっしゃいました。

そのコイ、生きが良いどころかびっちびっち跳ねてるんです!

「あー、でもあれどうにかして捌くんだろうなー」

と思ってみていたら、おじさま、棍棒でコイをダンッ!ダンッ!とぶっ叩いてる!!!

 

ああ……気絶させる戦法なんですね……

 

思わず利根川沿岸じゃなくてアマゾン沿岸の町に来ているような気持ちになった私達姉妹を後目に、おじさまはそのまますごい手際の良さコイを捌いていきました。棍棒の登場で若干退いていた私達も、その手際には惹き付けられまくりです。大きなコイがあっという間に三枚おろしになっていました。

おばさまに「あれは鯉のあらいですか?」とお訊ねしたところ「そうです。うちは作り置きをしないので、ご予約の時間の直前に捌くんです」とのこと。

すっごい新鮮じゃないですか!

へ~、私も食べてみたい~なんて話していたら、まな板の上で捌かれているコイAの隣で次に捌かれるのを待っていた文字通り俎上の鯉、コイBが

びちびちびちびち!!!!

気が付いて暴れ出してる!!

(うわぁあああああ……)

どうするんだろう……と思っていたらおじさま、

ダンッ!

再度棍棒で叩いとる!!!

……いたたまれねぇ……

戻った気持ちがまた退いた瞬間でございました。

しかしおじさま、私達が店を後にしようとすると、めちゃくちゃ素敵な笑顔で「ありがとうございました〜」と送り出してくれたんですよ。

アシュラマンかよ!と内心つっこみつつ、あの超新鮮な「鯉のあらい」に私の心が鷲掴みにされたのは言うまでもありません。

 

そして、自宅に帰って開いた「ホンモロコ煮」がこちらです。

ホンモロコ煮、川魚の里 鈴木養魚場

ホンモロコ煮、川魚の里 鈴木養魚場

右下に燦然と輝く金色のシールは「埼玉県ふるさと認証食品プレミアム」認定の印ですよ!

埼玉県庁のHPによると、

「ふるさと認証食品」とは、主原料が全て埼玉県産で、食品添加物を極力使用しないなど、県の品質基準を満たしていることを県が認証した加工食品です。”

とのこと。

それがさらにプレミアムになると材料はすべて埼玉県産に限定され、基準がより厳しくなるようです。

そんなのあるなんて知らなかった~。

相変わらず埼玉県はPRが下手です。地元民も知らない認定証なんて効果ないじゃん。

ともかく「ホンモロコ煮」を頂いてみます。

………………………………

めっちゃおいしい!!!!

「ホンモロコ」、大きさは10cm弱、頭は小さめで骨はやわらかい小魚です。コイ科ですが、身が繊細でふっくらしており、しかもコクがある! ちょっとワカサギに似ているかもしれません。

この薄めの色合いからもおわかり頂けるかと思うのですが、小女子の佃煮や鯉のうま煮のように濃い味付けではなく、酒、醤油、みりんを主体とした浅炊きでした。これがねぇ……お酒にめっちゃくちゃ合う!!!

この日は軽くビールのおつまみにしてみたのですが、ビールも合います。日本酒も絶対いける味ですね。

今まで何で食べてみようとしなかったんだろうと思うほどおいしいですよ、「ホンモロコ」。

久しぶりに「埼玉も捨てたもんじゃないな~」と思えました。うん、(旧)北川辺町は古河になんてあげられないわ。

 

ありがとう「ホンモロコ」! ありがとう『川魚の里 鈴木養魚場』! ビールがうまいよ!

 

今度は予約をして、捌きあがった後の「鯉のあらい」「うなぎの蒲焼」を頂きに参りたいと思います。

『川魚の里 鈴木養魚場』、県内だけでなく県外の方にもお薦めしたいお店ですよ~。

*記事の内容は2016年2月現在の情報です。商品、店舗の状況は変更されている可能性がありますので、詳しくはお店の公式HPなどをご確認ください。



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