Riding Sport Cycles
自分にぴったりのスポーツサイクルを選ぼう!
- スポーツサイクルのいろいろ
自転車はいろんな顔を持つ乗り物です。
移動手段であり、エクササイズのツールであり、競技の一種目であり、趣味が高じれば盆栽のように際限なく弄り倒し続けられる大人のオモチャでもあり。自動車以上に十人十色の乗り方が出来る乗り物です。
Captain Tabbyは2年前まで自転車を完全に移動手段としてのみ使っていました。もちろん乗っていたのはシティサイクルで、ギアも電動アシストも何もついていないタイプです。一人暮らしをしていた学生の頃なんて、車もないのでそれを毎日ガンガン乗り倒し、1日20kmくらい平気で乗っていました。特に自転車に興味はないけど、移動手段としては誰よりも使い込んでいるというタイプの乗り手だったわけです。
- ミニベロ
そんな私が2年前、唐突に買ってしまったのがこれ。
小径自転車、いわゆるミニベロです。
ミニベロはホイールサイズが20インチ(約50cm)と小さいタイプの自転車で、見た目は折りたたみ自転車に似ています。子供用自転車のように小さいホイールのミニベロですが、これでもギアが何段もついていて、シティサイクルよりも遠くに連れ出せるスポーツサイクルです。
この画像はflickrからお借りしたもので、ギアが内装3段のCannondale Hooligan3というモデル。ワイルドでエキセントリックな見た目が人気のミニベロです。どうですか? 前輪が左側だけでフレーム(車体部分)にくっついているこの不思議なルックス! 私はこれがとにかくかわいくてたまりません。
私の愛車はこのCannondale Hooliganと同じシリーズ、ギアが外装5段でドロップハンドル仕様のCannondale Hooligan Roadなのですが、専属メカニック(兄)の手により、ハンドル、サドル、ブレーキ、ギアに至るまで徹底的に魔改造を加えられており、「これがCannondale Hooligan Roadです」と言うのはちょっと誤解を生みそうな逸物となっております…… そのうちブログなどでご紹介するかもしれませんが、ここではやめておきましょう。
ミニベロのいいところは手軽さです。ご覧の通りホイールが小さいので車体も低く、身体の小さい女性でも乗りやすいというメリットがあります。Captain Tabbyの身長は158cmで日本人女性としては小さ過ぎるというわけではありませんが、やはり男性に比べるとまったく小柄ですよね。身体に合ったフレームと乗ってみたいフレームが常に一致するとは言えなさそうだし、そもそも高い位置に座って前傾姿勢になるロードバイクに乗るのはちょっと怖いです。
私のように「スポーツサイクルに挑戦してみたいけどちゃんと乗れるか不安もあるなー」という方、「たまには気合を入れて遠出もしてみたいけど、普段は気軽にポタリングしたい」という方にはこのミニベロがおすすめです。
また、乗りやすいことに加え、この子は意外と加速も早いんです。20km/hくらいなら運動音痴の私でも楽に出せます。この辺りは加速するまでに少し時間が掛かるロードバイクにはない魅力ですね。
あとはとにかく見た目。見た目がかわいい! キメキメのサイクルウェアを着なくても乗れるし、それが似合うスポーツサイクルです。ギンギンに運動したいわけじゃないけど、身体を動かして遊びたい。おしゃれもしたい。そんな方にはぴったりです。
そんな魅力的なミニベロですが、もちろん短所もあります。
ミニベロの短所は、とにかく長く乗っていられないこと。
ホイールが小さいから、スピードを保とうとするとずっと力を込めてペダルを漕いでいなければならないんです。ハムスターみたいに全力でカラカラ廻し続ければそりゃ疲れますよね。
また、ホイールが小さいゆえのデメリットはそれ以外にも、段差に弱い、衝撃がダイレクトにくるということがあります。走り慣れないうちは特に、衝撃を逃せずおしりが痛みまくります。
そんなこんなで、ミニベロには長距離に弱い短所があるわけです。もちろんミニベロでは長距離を絶対走れないということはないですが、ミニベロで走れば「きっともっと楽に長距離を走れる自転車あるよね……」と思うこと必至です。
そこで次に選択肢に入ってくるのがクロスバイクとロードバイク。
……なのですが、これが初心者には違いがよくわからない2者でもあります。
- クロスバイク
まずは街中でよく見かけるクロスバイク。
こちらもflickrからお借りしてきた画像です。写っているのはRaleigh RF7というモデルで、15万円近い価格ながら人気のクロスバイクです。15万円ってエントリーモデルのロードバイクが買えちゃう値段ですよ。なかなか高価です。
そんなクロスバイクですが、見た目はシティバイクに近い感じですよね。特に画像のRaleigh RF7はクラシカルなルックスで、私が学生時代に乗り倒したBRIDGESTONEのシティサイクルとほとんど変わりません。
何が一番そう感じさせるかと言うと、おそらくハンドルの形がドロップハンドルではなくフラットバーだということだと思います。このことにより上体を傾けずに乗れるので、その部分では乗り心地もシティサイクルに近いようです。
じゃあシティサイクルとの違いは?
見た目で分かりやすいのはタイヤの細さです。シティバイクのタイヤが4枚切りの食パンだとすると、クロスバイクのタイヤは6枚切りのそれくらい細さが違います。初めて間近に見るとおお!となりますよ。
このタイヤの細さが初めてロードバイク、クロスバイクに乗る人間をビビらせる部分でもあるのですが、乗れば慣れる。……らしいです。でも、慣れないうちは車の轍にハンドルを取られてしまったり、段差が乗り越えられずパンクしたり、リム(タイヤのチューブの内側にある円いフレームのこと)を曲げてしまったり、色々あるみたいですね。この辺りはクロスバイクもロードバイクも同じようです。
このタイヤの細さで車体の総重量が軽くなるとともに、路面との摩擦力が少なくなり、スピードが出やすくなります。これがタイヤを細くするメリットです。また、クロスバイクはシティサイクルよりも長い距離を早く楽に走るために作られた自転車なので、タイヤ以外の車体部分のパーツも軽量化されています。
とは言え、見た目からもわかるようにクロスバイクはシティバイクとロードバイクの間にある存在。頑張ればシティバイクでも事足りるような乗り方の人には問題ないですが、もっとアクティブにツーリングしたい、速度を出したいという人には中途半端で物足りない自転車になってしまいます。
- ロードバイク
クロスバイクで走れる距離より、もっと長い距離を走りたい。クロスバイクで出せる速度より、もっと早く走りたい。
そして辿り着くのがロードバイクです。
こちらの画像もflickrからお借りしております。スポーツサイクルに興味のない人でも街で一度は見かけたことがあるだろう、人気メーカーCOLNAGOのCX-ZERO ULTEGAというモデルです。こちらは完成車(ペダルを買って付ければ乗れるもの)で40万円くらい。前カゴが付いた自転車にしか乗ったことのない人には信じられないような価格ですが、これでもまだCOLNAGOさんの中では最高位の価格ではありません。恐ろしい話ですね。
このモデルだけに限らず、ロードバイクはクロスバイクよりも基本的に高価です。
何故ロードバイクはそんなに高価なのか?
その理由はまず、ブレーキレバーというパーツが高いこと。
ロードバイクのドロップハンドルにはSTIレバーというブレーキレバーがついていて、このレバーを操作することでブレーキや変速を行うのですが、このブレーキレバーという小さいパーツひとつが安物でも1万円を超えるんだそうです。2万円で買えるシティサイクルもあるというのに驚きですよね。ドロップハンドルにすると必ずこのパーツが必要になるため、普通のクロスバイクやミニベロにはドロップハンドルは採用されていません。私の持っているCannondale Hooligan Roadはかなり変則的なモデルです。また、時々クロスバイクをドロップハンドルに改造している人を見かけますが、これも結構物好きと言われてしまう行為なようです。
そしてロードバイクの価格をブチ上げる要素はブレーキレバー以外にもまだあります。
素材です。
例えばこのCX-ZERO ULTEGA、これはフレームがカーボンで出来ています。軽くて丈夫なカーボン様、とてもお高いんですよね…… (ちなみに、先に挙げたクロスバイクのRaleigh RF7はアルミニウム製) そんな高価な素材を使って緻密に設計されたフレームを作り上げるため、ロードバイクは高価になってしまうわけです。そしてお高いフレームにどんどん高いパーツをカスタマイズしていき、最終的には総額を口に出すのも恐ろしいロードバイクが出来上がってしまうのです。
- 目的に合わせてツール=スポーツサイクルを選ぼう!
というわけで、ミニベロ、クロスバイク、ロードバイクの概観はざっと今見てきたような感じです。もっとも、ド素人の私が理解できる三者の相違点はこのくらいだというだけで、突っ込んで見ればもっと色々な要素があるのも確かです。
けれど、スポーツバイクを選ぶ際に一番重要なことはここに挙げてきたことくらいで十分判断できると思います。
つまり、
- ポタリングのように比較的短い距離を手軽に走りたい人はミニベロ
- 普段は短距離中心だけど、時には遠出をして長距離にも挑戦してみたい人はクロスバイク
- がっつり長距離を速く走りたい人はロードバイク
を選べばいいということです。
例えば、Captain Tabbyは基本的に体力に自信がなく、ビビりなので、スポーツサイクルに速度を出すことは求めていません。でも時々は長距離を走ってみたいし、見た目は断然かわいいのがいい。なので、ミニベロだけど少し長い距離にも挑戦できそうなCannondale Hooligan Roadを選びました。もし今後ロングツーリングをしてみたくなったら、そのときは新たにロードバイクを買うと思います。
目的が違えばツールを選ぶ基準が変わってくるのも当たり前のことですよね。畑を持ってないのにトラクターを買う人間はバカですから。それを忘れてしまうと、遠出なんてしないのにロードバイクを買って持て余すことになったり、がっつりロングツーリングに行きたいのにクロスバイクを買って後悔したりすることになるわけです。
価格や性能を比べて優劣を考える前に、まずは自分がスポーツサイクルに乗って何がしたいか考えることが大切です。誰の価値観に左右されるのでもなく、自分にとってベストなツールを選んでスポーツサイクルを楽しみたいですね。
*スポーツサイクルにはここで取り上げてきた3種以外にもマウンテンバイクという有名な自転車がありますが、マウンテンバイクはオフロードで威力を発揮するスポーツサイクルな上、現状の日本では私有地以外でオフロードを走行できるところがあまりないため、割愛しました。
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