世界の皆様、埼玉からこんにちは、Captain Tabbyです。
あっと言う間に4月も終わろうとしていますが、皆様連休の予定はお決まりですか?
今回は連休を近場で過ごそうとされている方の参考になる(かもしれない)スポット、先月から書こう書こうと思いながら放置していたあのスポットについて書きます。
ご紹介しますのは、埼玉が誇る世界的有名スポット、『盆栽村』です。
『盆栽村』、最近すっかり有名になりましたよね。
どうでもいい情報なのですが、Captain Tabbyがまだ制服を着ていた10代の頃、『盆栽村』の最寄駅である土呂駅をよく利用していまして、時折駅でバックパッカーの外国人に「ボンサイムラァはどこデスカァ?」と訊かれていました。
当時は『盆栽町』という地区が土呂駅の東口にあるという知識しかなかったので、なんで外人さん達がこんな何もないところに(土呂在住の皆様すみません、中高生の私には東武マインしかない駅に見えていたんです……)来るんだろうと不思議でした。
でもまだインターネットがそこまで浸透していなかった頃ですから、あの当時に単身『盆栽村』にやってきた外国人ってすごい行動力のある変わり者だったんでしょうね。
そんな変わり者の外国人達のおかげで『盆栽村』は全国規模どころか世界規模で有名になりました。
そう、世界に名立たる『BONSAI』で!
『盆栽村』は1923年の関東大震災で被災した東京の盆栽職人達が集団で大宮に移住し、そこで盆栽づくりを再開したことから始まったそうです。日当たりや土壌など、盆栽づくりに適した土地を探してここになったのだとか。
現在は『盆栽村』の地名は『盆栽町』と変更されていますが、今なお6軒の盆栽園が営業をしており、一帯は大宮でも有数の高級住宅地となっています。
そう、Captain Tabbyも高級住宅地なのは知ってたんですよ。中高時代は友達が近くに住んでいたのでよく歩いたし。
でも当時は盆栽を作っている職人さんの町だということまでは知りませんでした。
何故知らなかったかというと、まぁ若かったし盆栽に興味がなかったと言うのもありますが、当時は『盆栽村』の盆栽園さん達もそれほど外に向かって情報を発信したりしていなかったんだと思うんですよね。
そんな流れが変わる大きなきっかけとなったのはこれ。
『さいたま市大宮盆栽美術館』の開館です。
画像からお解りいただけることでしょうが、新しくてぴっかぴかの立派な美術館ですよ!
こちらの『さいたま市大宮盆栽美術館』は2010年に『盆栽村(盆栽町)』に開館したばかりの新施設。モダンでバリアフリーも考えられた立派な建物となっています。
この美術館、なんと総工費11億円だそうですよ~。
そう言えば『さいたま市大宮盆栽美術館』が開館する前の準備期間中、展示のために購入、栽培されていた盆栽5億円分のうちの一部が枯れ、5700万円損害が出たとかいう報道もありましたね。
盆栽は21世紀の現代に至ってもなお、お大尽の遊びなのでしょうか……
でも、5億円も、もう一回言いますけど ご お く え ん も掛けて展示している盆栽なのですから、素晴らしいものに違いない!
ということで、行ってきました『さいたま市大宮盆栽美術館』!
すごく久しぶりに土呂駅を利用したのですが、いやー、何も変わってないですね!
頑張って探して、改札口の正面に並んでいた公衆電話の数が減ったくらいでしょうか。
変わらなさに安心していいのか、さいたま市の将来に不安になっていいのか複雑な気持ちになりつつ、『盆栽町』への行き方を示す構内案内板を見上げてみました。
…………………………………………
東口にも西口にも『盆栽町』って書いてある!!!!
どっちやねん!
一瞬焦りましたが、よくよく見直すと東口側に小さく『さいたま市大宮盆栽美術館』と書いてありました。ステラタウンより字が小さいです。
解りづらいわ! 日本語が解らない外国人はもっと混乱するだろ!
せっかくの観光資源活用はどうなってるんだと思いつつ東口に向かいます。
階段を下りて東口ロータリーを見渡すと、ここでまた問題が。
案内板が見当たらない!
あったのかもしれませんが、見つけにくいです。Captain Tabbyはなんとなくこっちだろうと見切りをつけ、大宮方向へロータリーの右手の道を進みました。
これはちょっと改善すべきですねぇ。
でもその道すがら、こんなお店も見つけました。
白い壁のオサレ系パン屋さん、『LIFEAT リフィート』。
店舗内部はモダンな雰囲気なのに、引きで見ると磯野家ばりの平屋日本家屋です。屋根瓦がまぶしい。
新しいパン屋さんですね~。
もちろん私が中高生の頃にはこんなオサレなお店はここらにありませんでしたよ。
パン好きとしては入るしかないので、これから美術館に行くことも忘れて寄り道してみました。
店内もオサレ!!
白と木調の明るさがさわやかさMAXです。
並んでいるパンはそれほど多くないですが、棚の上段が天然酵母パン、下段がイーストパンと、内容にこだわったお店なようです。
後から調べて知ったのですが、こちらは富ヶ谷の有名店『Levain ルヴァン』で修行されたパン職人さんが2014年にオープンされたお店だそうで、石釜で焼かれる天然酵母パンが売りだとか。
私はこの日、焼き立てのレーズンと胡桃のカンパーニュ、桜あんぱん、四つ葉バターとはちみつのバトンなんかをちょこちょこと購入してみました。
焼き立てのカンパーニュはなかなかおいしかったし、桜あんぱんは桜の葉が入っていたりしておすすめですけど、内容に対してちょっとお値段高いですかね~。
普段使いはあまりなさそうですが、盆栽村のついでに買うのはおすすめです。
だって、何と言ってもこの内装!
上の画像にも写っていますように、店内にさりげなくミニ盆栽が飾られているんですよ。
これは素敵! 『さいたま市大宮盆栽美術館』と雰囲気がぴったりリンクしてますよね~。
店内の一角にはこんなディスプレイもありました。
『LIFEAT リフィート』が紹介されている本と一緒に、角皿に載せられた苔玉盆栽のアレンジが。素敵~。
洋風な空間にもこんなアレンジの盆栽ならすっと溶け込みますね。
盆栽と言うと、立派な和室に床の間を設えて、掛け軸なんかも飾ってからでないと置いちゃいけないみたいなイメージがありますが、こんな感じで気軽な観葉植物の一種として楽しむのもいいものです。
この感じ、盆栽初心者の方にはとても参考になる飾り方なのではないでしょうか。
さて、『LIFEAT リフィート』でミニ盆栽の魅力を感じ、焼き立てのカンパーニュをビニール袋の中で蒸れ蒸れさせながら本日の目的地である『さいたま市大宮盆栽美術館』へと足を進めます。
お店を出て右手、大宮方面に進むとすぐT字路に当たり、そこをまたなんとなく勘で左に進んでしばらく、ようやく『さいたま市大宮盆栽美術館』への看板を見つけました。
これ、目印もない住宅街の中なんだから、もう少し解りやすい案内をつけておくべきだと思うな~。
看板のある交差点を表示通り右折し、古美術商や喫茶店を眺めながらしばらく歩くこと5分弱、中学校の隣に建つ『さいたま市大宮盆栽美術館』に辿り着きました。
……館内ガラガラ!
入ってすぐ思う感想としてはなんですけど、ここ、経営がちょっと心配になるくらい来場者少ないですねぇ。
入館料は大人300円、高校生・大学生と65歳以上は150円、小中学生100円とお安いので、お近くにお立ち寄りでお暇な方は積極的に利用してあげてほしいと思います。
だけど多分、あまり良さが広まりにくいのは館内がほとんど撮影禁止だからでしょう。
『さいたま市大宮盆栽美術館』の館内で撮影が可能なのはこのエントランスロビーと中庭の撮影可能エリアのみ。
一般的に植物園というところは撮影自由なものですが、ここは盆栽を美術品として展示しているため、撮影は決められた場所以外は禁止となっています。
うーん…………
確かに、展示されている盆栽はその完成された佇まいの美しさから、刻んできた時間の長さや精魂を込めた職人の技術と情熱を感じさせる、素晴らしいものです。
でもやっぱり、どんなに言葉で説明しても、観ないと解らない!
戸外の撮影可能エリアで観られる盆栽も当然素晴らしいのですが、館内で完璧な設えとライティングを施された盆栽はやっぱり美しさが格別なんですよ。
でもそれは直接来場していただかないと観られないんです。
私も利用していますが、最近はInstagramやTwitterなどの画像をすぐに共有できるSNSで情報を得ることが多いので、それに慣れてしまっている今の若い人達には言葉だけで良さを伝えようとしてもなかなか難しいものがあると思います。
ポストカードなんかも売られてますけど、やっぱり拡散力としては弱いですからね~。
しかも、その少ない来場者のほとんどがお年寄りで、時々外国人、それより少ない日本人の若者、という割合ですから、これはこのままほっといたら入場者数減る一方ってもんですわ……
それで閉館になってしまったりしたら切なすぎるので、とりあえず先日私が撮影可能エリアで撮影した盆栽をこちらに載せてみます。
いかがでしょう~。
真柏(しんぱく)、岩四手(いわしで)、寒桜(かんざくら)です。
それぞれに号があるようなとてつもなく高価な盆栽だけあって本当に素晴らしい形容です。
この小さな画像ではなかなかお伝えできないかと思うのですが、近寄って観ると盆栽は「小さな木」にはまったく見えません!
上から眺めれば鳥になって空から見下ろす古木に見えるし、下から見上げれば大樹の下にいるような気持ちになります。
小さな形に大きな生命が凝縮されて見えるんですよ。
この美しさは日本の粋ですねぇ。
館内を見回って出る頃には、「盆栽めっちゃかっこいいじゃん!」と興奮しているCaptain Tabbyでございました。
そして。
興奮のあまり、調子に乗ってこんなものを入手してしまいました。
はい。
ミニ盆栽デビューでございます!!!!
感化されやす過ぎと言われたら何も否定できないですわ。
だって、美術館を出てなんとなく併設の盆栽共同販売所に立ち寄ったところ、職員のおじさまの甘言に乗せられて盆栽を始めることになっちゃったんですもの。てへ。
おじさま 「何を育ててるの?」
Captain Tabby 「いや~、盆栽やったことないんです。やってみたいとは思うんですけど、すぐに枯らしてしまいそうで」
おじさま 「大丈夫よ~。この近くの小学校の子達なんか、学校で盆栽やってるんだから」
えっ、小学生でもできるの? 枯れないの?
おじさまが若干尾木ママ風味であることによりもその衝撃の事実に食いつくCaptain Tabby。
じゃあ、やってみちゃおうかな~……
ということで、「バカでも育てられる一番丈夫で優しい盆栽を選んでください」とお願いし、『長寿梅 ちょうじゅばい』という花木の盆栽を選んでいただきました。
『長寿梅 ちょうじゅばい』は梅と名が付いてはいますが梅ではなく、木瓜(ぼけ)の一種だそうで、赤くて小さなかわいらしい花が四季を通して咲く品種です。
ボケ……まさにバカにぴったりな盆栽ですね。
しかもこの子はすごく強い植物で、この盆栽も挿し木で増やしたものだそう。
これなら……この生命力なら……緑の指ならぬ茶色の指を持つ私でも育てられるかも……
とは言え植え方も育て方も何も解らないので、ここはひとつ!
おじさまにすべておんぶにだっこでやっていただきました。おほほ。
このたび初めて知ったのですが、盆栽は苗木として売られているときの素焼きの鉢のままではきちんと育てられないそうで、購入したらその盆栽に合う鉢を選んで植え替えてあげないといけないんですって。
知らなかった……というか何も知らない……
おじさまのアドバイスを伺いつつ選んだ鉢に、おじさまが苗木を針金で固定して土を盛り、すっかりかわいいmy盆栽が出来上がりました。(完全他力)
素敵じゃないですか~?
片手に乗るくらいの鉢に、高さ20cmくらいの小さな木が植えられたミニ盆栽です。
木に巻かれた針金は形を整えるために付けられたもので、成長に合わせて外したり付け替えたりして理想のかたちに作り込んでいかなければならないそうです。
そのときが来たら不安しかないですが、とりあえず今は見て水やりして愛でるのみ。
うーん、かわいい。
実はこの画像、美術館からの帰りに大宮公園駅近くの『福丸珈琲』でちょこっと撮らせていただいたもの。
『福丸珈琲』は蔵を改装して作られた和洋折衷のとっても素敵なお店でして、こうして盆栽を置いても本当に映える空間ですよね。
(『福丸珈琲』についてはたくさん書きたいことがあるので、詳しくはまた後日!)
こんな風に自宅でも飾りたいのですが、我が家は猫が2匹もいるので、誤食などの危険防止のため基本的に家の中で植物を育てることは出来ません。
というか、そもそも盆栽ってずっと家の中に置いて育てていてはいけないんだそうですよ!
知らなかった……
家の中で乳母日傘に育てるものだと思ってた……
基本的に戸外で育てて、鑑賞するときだけ屋内に入れるものなんだそうです。
だから、我が家みたいに家の中に入れられない育て方でまったく問題ないんですって。
という事で、自宅マンションのベランダでかわいがりつつ育てているのですが……
なんと栽培2週間でアブラムシに襲われる被害に遭遇しました! ぎょええええ!!
(画像は気持ち悪いので割愛)
ねぇ、これ普通?
マンションでこの盆栽以外には土なんかないのに、一体どこからアブラムシなんてたかってくるの?
花芽にたかるアブラムシの気持ち悪さ、憎らしさに速攻ホームセンターへ『オルトラン』という駆虫剤を買いに走りました。Google先生に訊いたらこの駆虫剤が一番人気っぽかったんですよ。
撒く量もよく解らないけど、そこは勘で押し通すCaptain Tabby。
でもこの『オルトラン』……めっちゃ臭い……その上どうも速効性はない……
しかも撒いてしばらくしたらアブラムシが落ちる前に葉っぱが黄色くなって落葉し出したんですよ!
そこの展開早過ぎる!!!!
早くも茶色の指が発動して盆栽ちゃんを枯らしてしまうかと怯えたのですが、とりあえずまたググりまくって『長寿梅は駆虫剤に弱い』と知り(遅い)、慌てて鉢から『オルトラン』が付着した土を取り除きました。
そしてアブラムシ駆除はセロハンテープにくっ付けて取るという原始的方法に切り替え、半泣きになりながら実施ですよ。
それからは落葉も止まったので、やっぱり『オルトラン』は合わなかったんだなーと解ったのですが……
いやー、盆栽栽培、全然簡単じゃないです。
とてもかわいいけど手が掛かるったらない!
……でも楽しい!
こんなに小さな鉢の中で刻々変化する樹勢に、毎日ドキドキです。
これは外国人がハマるのもわかりますね。
正直こんな楽しいことをお年寄りや外国人にだけ独占させておくのはもったいないです。
21世紀の若者の皆様、これから『BONSAI』の時代きちゃいますよ~。
みんな! 合言葉は『BONやろ(BONSAIやろうぜ)』だぜ!
……というわけで、ただいまCaptain Tabbyはこの初心者どころの話ではない私と盆栽について語り合ってくれる、もしくは私のレベルまで降りてアドバイスをしていただける『BONSAIメンバー』略して『BONメン』を大募集しております。
あの土はイケてるぜとかあの苔がヤバいとか語り合える『BONメン』、オフで盆栽村に一緒に行ってくれる『BONメン』、お気軽に下記のコメント欄からご連絡くださいませ~。
《追記》
『盆栽町』では2016年のゴールデンウィーク、5月3日(火・祝)から5日(木・祝)までの3日間、地区内の『盆栽四季の道』と呼ばれるエリアで『第33回大盆栽まつり』を開催するそうです。
盆栽の展示や盆栽、盆器、山野草の販売などイベントが行われ、普通のホームセンターではお目に掛かれない大量の盆栽に出会える貴重な機会ですので、興味を持たれた方は是非行かれてみてはいかがでしょうか。
詳しくは『さいたま市大宮盆栽美術館』のホームページに記載されておりますので、そちらをご参照ください。
*記事の内容は2016年4月の情報です。施設の状況は変更されている可能性がありますので、詳しくは公式HPなどをご確認ください。
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